人間が自らを制御するための生命活動である、〈呼吸〉にフォーカスした。
普段は肉眼で捉えることのできない〈呼吸〉の量、強弱さえも、
水中に現れる無数の気泡が、リアルかつ鮮烈にそれを表現した。
当然、いつも無意識に行っている〈呼吸〉は、水中ではままならない。
生きるために必要な空気を失い、〈呼吸〉は制御不能となり、水の完全な支配を受ける。
私たちは、いつも身近にあるものを失った瞬間に、その本当の価値を知るのだ。
ある者は、支配を受け入れ、抗うことなく終焉を迎える。
ある者は、もがき苦しみながらも自らの制御を試み、生きることを渇望する。
それは、水の中で明確に浮かび上がる、生に対する執着のコントラスト。
あなたにとって価値を知るべきこと、執着すべきこと、コントロールすべきこと、
そして生きるために本当に必要なこととは何か