1960年代からニューヨークを拠点に欧米各地で活動していた前衛芸術グループ「フルクサス」。「フルクサス」とは、ジョージ・マチューナスを中心に「パフォーマンス(行為)」そのものもアート表現のひとつとして発表していたグループの名前です。当時盛んに行われていたパフォーマンスは「ハプニング」や「イベント」と呼ばれていました。フルクサス・イベントの最大の特徴は、アーティストたちが制作した「インストラクション(指示書)」によって、誰もが再演できる方法を確立したことです。本作品は、そのインストラクションをまとめた塩見允枝子のフルクサス時代の代表的な作品集です。近年、ジョージ・マチューナスが1960年代に制作したオリジナルの印刷物が発見されたため、塩見の同年のインストラクション(指示書が24枚)を収録した新バージョンが80部限定で制作されました。わざとクシャクシャにした顔写真と、アーティスト名をグラフィカルにデザインしたプラスチックケースは今回のエディションのために特別制作されたものです。