material:Canvas on inkjet print,medium,fruit jam
60年代にアンディ・ウォーホルやロイ・リキテンシュタインなどの作品で知られるPOP ART。
社会的背景から読み解けば60年代のアメリカの工業社会を背景とした大量生産、様々な文化が花開き、人々がよく目にする著名人のピンナップや商品、漫画など大衆の欲望をモチーフに拡大していた時代背景を投影した作品群ともいえる。
またART的文脈からだとダリなどのシュルレアリズムからより人為的な行為を取り除いたオートマティスム(自動筆記)の次あたりのムーブメントにあたり、一見わかりにくい前回までの表現に対し見た感じもわかりやすく親しみやすいPOP ARTは広告デザインなどにも強い影響を与えた。
そんなポップアートの背景をベースに写真作品の視点から、絵画作品の視点から次をいく表現はなんだろう?の1つの回答が本作にあたります。
絵画の視点から見れば精密描写は誉め称えられるけどどこまで鍛錬しても現実の物真似。
写真の視点からだと一見現実を一番投影しているメディアだけど実際に実物を並べると写真は偽物であることに気付くことが出来るのが本作品の特徴です。
小難しいことを色々言いましたが結局は面白い表現はなにかないのかな?で出来た作品なんです。
実際本当にジャムを使っているから近くに寄れば甘い香りがする。
昔大阪のアートの私塾に通っていたときに学んだ内容から着想を得たんでもうかれこれ10年近く経つのかな。
絵具は元々色素にあたる、例えば天然の鉱石等を細かく砕いたものに接着剤を混ぜることで出来ています。
この接着剤が油だったら「油絵」。
卵の黄身を除いたあの透明なのだったら「テンペラ画」。
つまり絵具は自作できるという認識をそこで得たわけだけど、そのアイデアがようやく形となりました。