みんな、何を見ているのだろう森の中にいると、私は木の形や色などのディテールを注目することが多い。しかし、ある人は木の性質や構造を見ているかもしれない。またある人は、あのまったりとした湿度や匂いを。またある人は、鳥たちのさえずりを。葉の隙間から溢れる光を…。同じ時間、同じ場所を共有していても、すべての人が同じものを見てはいない。人は無意識にそれぞれ得たい情報を、適切な量選び、知覚している。私が捉えているものを、他の人が捉えていないという事も常にありうる。みんな、違う世界を生きているようだ、と思う。しかし、それは逆にも言えるのかもしれない。各々の選択した細部が集まり、層のように重なり合い、完全な世界になるのではないだろうか。それはとても繊細で儚い。肉眼では見ることは出来ないが確かに存在する、力強い銀河になっていくのかもしれない。
(壁掛け作品)