ニューヨークのマンハッタンに暮らす人々を被写体として、大きな成果を上げているシムラユウスケ。
彼の作品は見知らぬ人々との、ある一定の距離感を保ちながら、ニューヨークという大都市の空間に人々を文字通り位置づける。建築写真や都市計画写真に類する、パースペクティブを際立たせた構図に、個々の人物を配した作品は単なるありふれたスナップではなく、精妙なコンポジションそのものだ。人工の極であるアンドレアス・グルスキーの客観的な制作態度に近いともいえる。一方、外来者でありながら、帰宅を急ぐ彼らの目的地を想像して、Have a good weekend !! と声をかけるかのような、被写体の人物たちに対する普遍的な愛ともいうべき、フランクな親近感を感じさせ、不安な街の安堵する一面を垣間見せている。