出産を機に表現方法をペインティングから刺繍にした浅間明日美。
当初、子育てをしながら絵の具を広げて描いたり、乾かしたりできる場所も時間も無い中で制作を続けたいという思いから編み出した方法だったが、刺繍と言う表現が自分にしっくりくることから次第にのめり込んでいく。一針一針縫い込めると言う身体作業を通して、不可視ではあるが確実に縫い目に何かが宿る感覚を体感したことや、日本で古来より言われている縫い目には呪力が宿り、子供を悪いものから守るため親が着物に刺繍を施すという歴史を知ったことで、刺繍という表現方法が深化する。
この思いを背景に鑑賞者が自己肯定感を得られるような高揚感のあるポップな作品をテーマに制作している。