最初に言っておきますけど、おれはAppleファン+画像処理フェチとかウェブジャンキーではないです。
適当に女好きで、出来れば毎日ダラダラしてるのが大好きなどうしょうもない中年オヤジなだけですから。
今の世の中、ウェブは資料や素材の宝庫とは言え,クリッピングしてデスクトップに持って来たものをそのままグチャグチャ加工してコラージュするのはなんとなく気が引けます。
ちゃんと定価があってお店でお金を払って手に入れた雑誌なんかの紙媒体なら,遠慮なくバリバリ破いてスクラップしておいてセメントで組み上げてコラージュしたりぜんぜん平気なんだけど、ウェブ上のデータだとそうも行かなくてわざわざ古本屋さんに出かけてめぼしい写真を漁り、切り抜きしておいたものををスキャンして使ったりしちゃいます。たとえ100キロバイト以下のぼそぼそのJPGだとしてもウェブ上のビットマップをモロにそのまま素材に使うって、なんか罪悪感あります。
そんなウェブのデータの中で唯一、俺が気兼ね無く平気でいじくれるのはグーグルでイメージ検索してズラズラ出て来る、ちっこくてきったないちりめん皺だらけのサムネイル画像です。
これはもう,本ページにアクセスするためのボタンみたいなもんだから頂いても構わないんじゃないのって。
そういうわけで,10キロバイトも無いようなちっこいサムネイルを丁寧にていねいに育ててクールな大画素ピクセルを創ってみる事にした訳です。
横幅2.4m位までは全然平気でプリント出来るように、とんでもなくバカでかいファイルに育てます。
このシリーズはそういうビットマップと超低解像度でスキャンしウェブ用に保存かけた画像の両方を使用しています。
ぼろぼろの画素から引っ張り出して来た最初の段階なんかもう、拡大しちゃったらなんだか判らないエロくて絶望的な救い様のない小汚いノイズ系ですけどね。
モノによっては育てる途中で一度プリントして絵の具を載せてフェイクをかけてまたスキャンしたりしてね。
まあテクニックとかスキルはどうでも良いですね。
10キロバイトの画素を育ててくれるのはCPUな訳だし、保育器は処理ソフトだし、俺はカチャカチャ命令して時々ディスプレイ見てるだけだからね。このシリーズで最も残念なのは製作中に手触りを味わえない事。
データ仕事の宿命ではありますが、完成作品としてはエディション無しの1枚だけ多色刷りの高精度インクジェットプリンターで出力されます。