カートアイコン

EN / JP
  • light trap
  • light trap

かつてプロレスがゴールデンタイムにオンエアされていた時代があった。まだ子どもだった私は、毎週プロレス中継の時間になるとテレビにかじりつき、様々なレスラーの競演と胡散臭い攻防に見入ったものだ。北村バンビの作品を観ていると、思わずそんな昔のことを思い出してしまう。彼の平面や立体のモチーフとなっているのはブルーザ・ブロディ、キングコング・バンディ、ザ・ロード・ウォリアーズなど、いずれも主に80年代に活躍したレジェンド的なレスラーで、表情とトルソにこだわった精巧なキャラクター描写からはいかがわしい雰囲気がプンプンと臭ってくる。エル・ソリタリオのマスクをかたどった作品にいたっては、かつて少年誌の裏面によく広告が載っていた通販のフィギュアそっくりではないか。蛇足ながら、個人的には旧全日プロ寄りのセレクトも嬉しかったりする。
もちろん、北村の年齢からしてこれらのレスラーをリアルタイムで知っているはずはないだろう。力道山時代には国民的娯楽だったプロレスもその後は人気の退行が著しく、総合格闘技の台頭やミスター高橋の暴露本という強烈な逆風に見舞われた今は、深夜に細々と放映されているだけだ。だがマイナーカルチャーに転落した今だから、往時を知らない北村の眼に、かつてのプロレスは刺激に満ちたテーマとして映っているのではないか。アートもプロレスも「見世物」であることに変わりはなく、とすればプロレスの台本(ブック)や仕掛け(アングル)には参照すべき点も少なくないはずだ。プロレスという古い素材に着目した北村の“反時代的”な視点は、実は極めて先駆的なものかもしれないのである。

文:暮沢剛巳(美術評論家)


*ギャラリーからのコメント
触るもの全てを黄金に変えたミダス王の様に、北村は触れた全ての物を4次元物質に変化させる特異体質な作家だ。
誰に気づかれるまま密かに産み落とされ続けていた次元を超えた作品達は、カウンタックの特殊レーダーによって発見され、採取された。
カウンタックのリーサルウエポン、タグボートにいきなり登場
#script tag escaped#flgDispRecommend=false;#script tag escaped#

light trap

light trap

Banbi Kitamura

作品本体価格Sellng Price(Artwork)
¥ 100,000
額装費Framing Price
¥ 0
消費税Tax
¥ 10,000
合計金額(税込)Total(include tax)
¥ 110,000
SOLD OUT

More Details

蜜蝋、顔料

サインSignature
なし None
EDITION
オリジナル 証明書付
制作年Year of Creation
2005年
サイズSize
25x 17 x3cm
作品の状態Condition
良好
額仕様Frame Specification
立体作品、そのまま飾っていただけます。
額寸Frame Size
25x 17x 23cm
納品期間Shipping Time
約2週間
特記事項Notices
作品IDItem ID
5752

Profile

1933 アメリカのノースダコタ州グランド・フォークスに生まれる。
ミネソタ大学で学んだ後、ニューヨークに出て、アート・スチューデンツ・リーグで学ぶ。
卒業後、看板職人、パネル広告デザイサーとして働く。
1962 ニュー・リアリズム展に出品。その後、初めての個展(ニューヨークのグリーン・ギャラリー)。
当時よりポップ・ペインティングの画風で<視覚的インフレーション>と呼ぶ、コラージュ風に物を並べることによる、新たなイメージの創造を行う。64にも個展。
1965 レオ・キャステリ画廊で個展。この時、代表作でもあり、とてつもなく巨大な作品「F111」を発表。
以後、同ギャラリーで定期的に個展を開催
1966 展覧会「アメリカ絵画の二十年」で来日
1968 カナダ国立美術館で回顧展
1972 ホイットニー美術館で個展
1974 ロンドンのMayorギャラリーで個展。以後、同ギャラリーでも定期的に個展を開催
1985 デンバー美術館で個展