“Wondering” はニューヨークでのグループ展、Emerging Tokyo の制作後に制作された山口の “Hello World” シリーズの作品です。
“Hello World”シリーズは改造された掃除ロボットが絵画を描くシリーズです。絵の具を垂らすドリップユニットを装着した掃除ロボットは、自動的に絵を描きます。山口は色彩の選択をし、絵画の始まりと終わりのボタンを押すのみで作品を完成させます。作品は作家自身の作品なのか機械の作品なのか、作家の肖像すら曖昧な抽象画となります。
山口は“Hello World”のシリーズを仏教でいう「空(くう)」のようだと語ります。「空」とはあらゆる物質や現象の最も抽象的な概念です。たとえば私を抽象化させていくと、私は日本人、日本人は人類、人類は生物、生物は有機物、有機物は物質、物質とは存在、存在とは有、有とは空。となります。しかし空は「有」のみではなく、空は「有」と「無」の2つの概念を孕みます。“Hello World”は機械という虚像を扱うことで空の世界を描いています。