この絵からIDEAシリーズは始まった。
始めは光る瀧の瞑想を抽象化して描こうとした。しかし途中で地球の上に漂う感覚になり、長い時間、数日眺め、瀧から地球にモチーフを変更した。
長時間眺めてから、何かが見えて来るまで待つ事がとても重要に感じ、ひたすら眺め続けた。(この行為を[観想=IDEA]と名付けた)
何かが見えて来た時に描く事を繰り返し、完成したと思う瞬間が訪れた。
自分が初めて画家になった様な気がした。
見つめていると魂の様に肉体感覚は消え、地球に還る様な気持ちになる不思議な絵画。
先ず無意識、瞑想、カオス、ガイアエネルギー、接続、空中浮遊、無意識の波動定着、
大きさへの感動と欲望、奇跡の希求。
自分にしか描きえない絵を描いた感触が得られた特別な絵。
意図して生まれた絵では無いが、白いキャンバスの段階から、特殊なワクワク感があった。この画面で実現する世界への憧れ。
※今回の作品掲載を機会に、オンラインサービス「note」に美術エッセイ
「抽象絵画再考」の連載を始めました。以下のアドレスからお読み頂けます。
抽象絵画再考|TartarosJapan/日乃谷 啓 @tartarosjapan #note https://note.com/tartarosjapan/m/m8f7776978062
本作が展示された個展「IDEA」コンセプトテキスト
TARTAROSJAPAN個展 観想―イデア
自然や日常の視覚と個人の精神的体験を密接に捉えようとした近代美術から、人間と社会の分析や関係性を様々に捉える現代美術へ美術は変化して来ました。その歴史の狭間で抽象絵画はスピリチュアリティを拠り所にカンディンスキーや近年再評価が進むヒルマアフクリント等の先駆者によって20世紀初頭に開拓されました。TARTAROSJAPANは、スピリチュアリティに基盤を置く先駆者と同様に、自己の瞑想体験を元に絵画表現に取り組んで来ました。それ等は幻覚的イメージを抽象化した様な、現実と夢の狭間にある領域を探求しているようです。
個展では瞑想時に現れるビジョンを(観想=IDEA) として捉えた、抽象新作絵画シリーズで構成されます。
科学文明が置き去りにした、スピリチュアリティを現代美術の最前線に再び提示する試みとなります。