染め、塗り、ドローイング、切り絵など紙に対するあらゆるアプローチを融合させた独自の貼り絵技法で人気が高い、村尾沙織氏。時に伝統的な手漉き和紙や友禅和紙も材料とするなど、オリエンタル / オクシデンタル双方の美学をブレンドする、幻想的なカラーバランスも魅力です。細やかなニュアンスと文芸的な画想、大胆な絵肌の乗算が、動物や草花、人物などのモチーフへファンタジックな飛翔力を与えています。
「ALBION AWARDS」の初回で金賞を受賞するなど、その比類のない世界観にはかねてよりアート関係者の関心度も高く、全国各地での展示のたびに新しいコレクター、フォロワーが着実に増加中。今後の伸びしろに大きな期待が持てる注目のアーティストです。
本作は「装飾文様幻想動物図」シリーズからの一作です。青龍の角や鱗にはラメやスパンコールを練り込んだ和紙が使用されており、角度によってキラキラと煌めきます。背景の文様は手描きで、コラージュと美しいコントラストを構成。伊勢丹浦和店での個展(2020年)にて展示され好評を博しました。