小池正典
Masanori Koike

昨年のTDW ART FAIRで見事グランプリを獲得した小池正典。
彼の作る小さな立体作品それぞれには個別のストーリーが込められているのだ。
日本は一神教ではなく、八百万(やおよろず)の神があるという考え方がある。 万物にはそれぞれ宿っている魂があり、絶対的に何かが正しいということではなく、それぞれの考え方があるんだという考え方に小池正典は感銘を受けた。
それ以降、毎日目にする空の色や身近にある建造物などから感じるインスピレーションを受けて制作を続けている。 日常にある言葉、物の名前、音、匂いなど、通常では記憶に残らないような目立たない存在に名前をつけるように作品を作っているのだ。
万物が生まれ、その後形を変えながら滅びていくというその過程を粘土やドローイングで表現している小池は、有田窯業大学校専門課程で学んだ造形物の作り方によって粘土に魂を注入しているようである。
小池の作品は手の届く価格帯でありながら安定した人気を誇る。お気に入りの作品が見つかったならば、必ず押さえておいたほうがよい。 今後の活躍に応じてますます価値を高める可能性を秘めていると言えよう。