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佐内正史×@GALLERY TAGBOAT
インタビュー 写真家・佐内正史に、街を歩きながら話を聞いた
前にも言ったけど、写真を好きでやっているわけじゃないからさ。人生の目標みたいな感じでやっているから。それを好きって言えるのってなかなかないんじゃない?

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―― この前nichidocontemporary artで見せていただいた空の写真が忘れられないです。あれを見たとき、これはどんな写真かと考えるより先に、「あ、これは空だな」と思って、それがすごく印象に残ったのです。

佐内 「そうなんだよ。だから今日話してた写真っていうのは、そういうことだよね。理屈抜きで、自分と、撮ると言うことが、ぴったりくっついているという状態というか。そうでないとああいう写真は撮れないじゃないかな。あれは単なる空でしかない、空が写っているってだけ。それ以上でも以下でもない。でもそれが写真だと思うんだよ。なかなか難しいんだよ。

前にも言ったけど、写真を好きでやっているわけじゃないからさ。人生の目標みたいな感じでやっているから。それを好きって言えるのってなかなかないんじゃない?

よく撮れたと思う、ああいうの。悟っちゃうと撮れないしね。すごい人間っぽいし、悟ったような写真でもあるし。



 
撮りたいと思って撮る。シンプルって言うけど、でないと難しいというか、そこで勝負しているんです。それでないと何かの写真にす り替わってしまうから。シンプルな写真っていうのをやりたいと思っている。」
『生きている』より (取材・記事=安田洋平)


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